【嫌韓、反日の人たちへ。】フリーハガーとして活躍する桑原さん、スヨンさんと対談してみた。_後編

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韓国ソウルの反日デモの前で日本人として目隠ししてフリーハグを実施し、韓国ソウルの反日デモの前で日本人として目隠ししてフリーハグを実施し、Youtubeでは約140万回再生されている桑原さん。そしてチマチョゴリを着てフリーハグを実施し、日本縦断を達成、NHKでもフリーハグの活動を特集されました韓国出身のスヨンさんにインタビューしました。内容はフリーハグを始めたきっかけと今後の活動、日韓の現在と未来について。前編、後編と2回に渡ってインタビューの内容をお届けします! 真剣な内容を話していますが、終始笑いの耐えないとても楽しい時間となりました。フリーハグ中には見せない2人の一面もございますので、お楽しみいただければと思います! では後編をお送りいたします。

反日教育の考え方

韓国での反日教育ってどんなことをするんですか?
待ってください、そもそも「反日教育」というものがわかりません。反日教育は2年前に桑原さんから初めて聞いたんです。ネトウヨのサイトや、本屋に行って調べました。かなり驚きましたよ、本当に極端に見ていると思いました。反日教育なんてしていませんよ。だからその言葉を24年間知らなかったんです。
僕は韓国の友人の情報から反日教育というものを知りました。 韓国の友人に「俺と出会ってくれてありがとう。君と出会ってなかったら、日本のことをずっと嫌いだったかもしれない」と言われました。日本へのネガティブイメージの原因は、「親からも日本が悪いという教育を受けるし、学校でも、ネガティブな日本の歴史の教育を受けている」からだそうです。これが、僕の中で反日教育だと思っています。
私はこれを反日教育とは、私は思いません。私は韓国で韓国の歴史を学びましたが、日本文化が好きで、大学で専攻しようと思いました。
ちなみに、スヨンさんってどうやって日本語を勉強したんですか?
学校によって制度は違いますが、私の中学では日本語を学ぶことは義務でした。2年生からはパソコンか日本語の授業を選択しますが、ほとんどの学校で日本語の授業があったと思います。
それは初耳だ。日本に対してネガティブなイメージ、反日感情を持っている人がいても、日本語の勉強が義務だなんてなんだか不思議ですね。

「反日教育」という言葉を変える

反日教育という言葉は昔からよく聞いてきたけれど、今でもその言葉が使われているのはどうしてなんだろう。スヨンが活動する前も、韓国の人々は「それは違う」と言える機会はたくさんあったはずだよね。 今でも日本のメディアが反日教育という言葉をよく使っているけど、それをどういうふうに変えていきたい?
「このような歴史的事実がありました」と言うだけ。「韓国の問題はこういう事実があります、これからどうすればいいですか」をみんな考えていません。 また、戦争の部分だけ強調して学んでいると言われますが、大きな転換期となった場面ですので、当然学びますし、他の時代も同じく勉強していますよ。日本のメディアはおもしろがるから、「植民地時代ばかりフォーカスして勉強させている」というところしか扱わないですよね。 真剣に向き合わなければならない難しい問題をおもしろくしたがるのは日本と韓国両方の問題でもあります。
ただの歴史の事実なのに、僕たちが反日教育と名前をつけてしまっているのかもしれませんね。日本もそうです。日本は歴史を隠しているといわれている、それはあるかもしれない。でも、それは僕たちの歴史であり、教育でもある。

韓国社会の愛国心

日本に行って、勉強して、就職したいと言っている韓国の学生が多くいるんですが、親が反対しているそうです。韓国からの旅行者の減少も明らかになっています。
日本人にはなかなか理解できない部分でもあるけれど、日本基準で考えることもおかしな話です。韓国の場合、周りの目が気になって日本製品を買いに行けない人もいるし、日本旅行に行けない人もいる。
韓国は人の目を気にする社会かもしれません。
日本も人の目を気にするけど、ここまではならない。何が理由なんだろう?
これは「愛国」の問題に繋がると思います。不買運動に賛同したら、自分も愛国者、参加しなかったら、売国。そういう雰囲気も今の日韓関係の一つの原因だど思います。
「愛国」の問題で韓国が好き、日本が好きだけどアクションができない人が大多数ですが、スヨンさんは活動しています。 僕の韓国の友達は日本に旅行の予定がありましたが、この情勢によってキャンセルしました。僕自身も韓国の友人のSNSへコメントしづらくなっています。僕がコメントしたことにより、「おまえ日本人とつるむなよ」って、僕の韓国人の友人が言われたら嫌だなと思って、コメントができなかったんです。
私も実際怖いんです。実際に韓国人が韓国で日本好きです!と言ったらどうなるか想像できません。

今の日韓関係から感じること

スヨンはかなり特別な存在だよね。韓国人で日韓友好を今のこの状況で訴えられる人はなかなかいないから。
スヨンさんはリーダーです。桑原さんは、フリーハグをしはじめたときは、自分はアホだと思っていた。でも、今はフリーハグがスタンダードになっています。
ほんと俺ってアホだなと思いながら活動してたけど、それでもこの活動の可能性を人一倍信じていました。
最近の日韓関係で何か感じることはありますか?
簡単な問題じゃないから、適した答えはないと思いますが、私は、韓国の状況もよく知っていて、たくさんの日本人の友達もいて、両方の立場を実感しています。一般市民として、単純に悲しいですよ。なぜ、お互いにちゃんとしたコミュニケーションをとれないのか。真面目に相手の立場を理解しようという考えがないように思います。
自分も同意見です。お互い話しあっている様子も見えず、この先の見通しが立たない状態です。そして政治が民間の関係に影響を及ぼして、私たち庶民同士のコミュニケーションの機会を奪うのは間違っていると思います。 何か主張したいことがあったら、市民は立ち上がりデモを起こしますが、フリーハグ活動が直接政治に影響する、領土問題、歴史問題を解決するというのは当然ですが、ありません。
そうですね。直接起因することはないかもしれませんね。ただ何らかの形で影響するかと僕は思っています。お二人のフリーハグがきっかけで日韓双方の市民が一丸となって声をあげて、国が変わるかもしれません。今はアホだなと思われているとしてもいつかリーダーになる日がくることを信じています。

大人と若年層の違い

それぞれの国で、対日本、対韓国への20代と40代では感覚が違うと思います。その違いとはなんでしょうか?
日本の場合、上の世代はとても堅いように感じます。政治が悪ければ、それがそのまま韓国に対するイメージにつながっています。一方、若者は、文化と政治、民間と政治を別々に考えることができているのではないかなと思います。 20代前半の若い世代は、KPOPや韓流アイドルたちに好印象を抱き、それがそのまま韓国のイメージにつながっていると思います。上の世代の人たちの若いころとは違いますよね。
僕たちやそれよりも若い世代でフラットな考えを持つ人たちがメディアや、政治に入っていけば、伝え方が変わってくると思います。今から、10年、20年後はまったく違ったものになるのではないでしょうか。 若者より上の世代の方で嫌韓が多いのはなぜでしょうか。
それはきっと、情報を仕入れるための主要な媒体がテレビやラジオなど限られていたからでしょう。だからそこで得た情報が全て正しいと思い込んでしまう。 しかし、今の若い世代はSNSでいろんな国の人々と交流できて、世界中の様々な情報にアクセスすることができます。それ故、自分で有益な情報を選び取ることができ、偏見も持ちにくくなっているのではないでしょうか。韓国に対して、「韓国人になりたい」「日韓カップルに憧れる」「KPOPが大好き」と宣言している人もたくさんいますよね。
インターネットを使って、多面的に情報を受け取れるようになったことが大きいですよね。一つの情報でも、賛成、否定派の意見も見ることができたり、「本当にそうかな?」と、自分で情報を検索することができるので、一方通行な情報の受け取りとは全く違う考え方ができあがりますよね。 昔は、マスメディアから一方的な情報を受け取り、「本当にそうかな?」と思っても、次のステップを踏む手段がありませんでしたが、インターネットの普及で、多面的に情報をもっと踏み込んで調べることができるようになったのは大きい変化ですね。 そして、その変化が現代の若者世代が文化と政治をわけて考えることができている大きな理由なのではないでしょうか。

良好な日韓関係を築くためにできることとは

日韓が仲良くなるにはどうしたらいいでしょうか。
歴史、政治問題は重要で、一番の日韓問題の核心です。 また、この問題の長期化でお互いに偏見が生まれていると認識することも大事です。 お互いが持っている偏見も問題と認識しなければなりません。 その偏見がある状況で話し合っても解決できないので、偏見なしで、コミュニケーションをとる必要があります。 今はお互いに、一方的に相手が悪いと思っています。一方的に相手の問題にフォーカスして攻撃するのではなく、自分たちの問題を考えてみるということが大事なんじゃないかと思います。
韓国は、日本が変われ。 日本は、韓国が変われ。と言って、政治的な問題に関してはこれが永遠にループしている状態です。 お互いに話し合う機会を持たず、ただ責任のなすりつけ合いをしている現在の状況では、両国の未来に希望を見いだすことは難しいと思います。 かといって、日韓関係は政治が全てというわけではありません。政治の枠ではなく、個人と個人のつながりの中にある日韓関係を強固なものにしていくことは、私たちにもできるのではないかなと思っています。

今後の活動について

これからの活動の予定は?
韓国に限らず、この活動を世界に広げて、平和のタネを蒔いてくる予定です。世界中で、自分でもフリーハグをやりたいという人が増えたらうれしいですね。
最初はフリーハグだけでいいかなと思っていましたが、フリーハグの活動を通じて、日韓問題から生まれた悩みの相談を受けます。 ここから一歩踏み出さなきゃと思い、大学院に進学し、日韓関係東アジアの問題を研究したいなと思っています。
せっかくフリーハグをやっているので、フリーハグの活動を二人だけでなく、他の人もやってくれたらいいですよね。
今、ソウルでは、毎週末日本人が集まってフリーハグ活動をしています。 一人では恥ずかしくてなかなか勇気がでず、やってみたいけどできない人のために、一緒にやる機会を設けようと、現地にいる日本人留学生たちが立ち上がり活動しています。

さいごに

桑原さん、スヨンさん、最後に日韓の若者に向けた一言をお願いします。
日本人なら韓国の、韓国人なら日本の友達を作ってほしいです。 たった1人でいいんです。なんでも話し合えるようなその国の友達が1人いるだけで、きっとあなたの視野を大きく広げて行くことができると思います。 リアルな情報は、「ダイレクト(直接)」がキーワードです。 わざわざ留学しなくてもいいんです。自分の国にいても、今はSNSを使えばいろんな出会いを作り出すことができますからね。
私は海外への留学を強くお勧めします。 冒頭に言ったように両親は反日に近い思想を持っていて、留学も反対されました。でも、実際の目で見た日本は、韓国での情報と違いました。 だから自分の目で見て世界を感じて欲しい。目で見て、感じて、考えて。こんなことがあるんだって。
実際に体験すること。メディアや他人からの情報だけではなく、自分が体験した一次情報がとても重要だということですね。桑原さん、スヨンさんありがとうございました。これからも活動を応援しています。